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2016年2月10日 (水)

「昔はよかった」のか?

毎日新聞の特集ワイド”それホンモノ? 「良き伝統」の正体”を読んで考えたことを書く。

よく中国人のマナーの悪さが話題になるが、日本人だって同じようなものではないかと思っていた。
たしかに現時点で比べれば、日本人のほうがマナーがあるだろう。
だが、ついこの前まではマナーなどなってなかったのではないかと思っていたということだ。

この記事を読んで、やはりなあと思った。

昔のほうがマナーは悪かった。それはたぶん事実だろう。
だが、それよりもっと昔にさかのぼるとどうなのだろう?
もしかしたらマナーはよかったのかもしれない。

いや、それはどちらでもよい。
問題は今と昔とどっちがマナーがよいかということではない。

「昔はよかった」という意識を刷り込みながら政治を進めようとする安倍首相をはじめとする自民党の面々にはほんとうに困ったものだという話だ。
「伝統」という言葉で目くらましをかけ、本当の姿や狙いに気づかせないようにさせる、それが問題なのだ。
おそらく日本人には「伝統は守るもの」というマインドがあると思う。
真の伝統は守りたい。
だが、ねつ造されたものを伝統と思い込むのは極めて危険だ。

先ほど、昔のほうがマナーが悪かったと書いた。
それはおそらく事実だろう。
だが、人のもつ優しさとか、思いやりとか、助け合う気持ちとか、そういうものは別の話だ。
それは昔のほうがあったとか、いや、今のほうがあるとか、そういうものではないと思う。
先天的に持っていたり、後天的に形成されるものだろう。
だが、それはあくまで個人的なもの。
それをだしにして政治に悪用するのはもってのほかだ。

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