『夜と霧』
言わずと知れた有名な本。
実は今まで読んだことはなかった。
北杜夫の『夜と霧の隅で』は大学生の時に読んだが。
『夜と霧』をこの暮れに読んだ。
読んでよかった。
読まなければ、この本はナチスの強制収容所の悲惨な状況や収容者の苦悩を描いた本だとの思い込みが間違えであったことに気がつかずにいた。
たしかに舞台は強制収容所であり、そこでの悲惨な状況も、収容者の苦悩も出てくる。
だが、読んでみてそれはメインテーマではないと感じた。
生きるということ、人間性とはなにか、そういった問題について語られている。
つまり強制収容所の話であれば、それは知識になったりはしても、結局のところは自分とは深い関係はない。
もちろん、戦争やそれに類すること、つまり人間の尊厳をないがしろにすることを拒否するのは自分と関係のある部分ではあるが。
生きる意味、自分が生きることは何によって生かされているのか。
まさに自分自身の問題について書かれた本だった。
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